エスキモーとはどんな民族?意味や暮らし(食事・服装・家)を徹底解説!学校の授業やテレビ番組などで耳にしたことがあるエスキモーという民族。今回はエスキモーとはどんな民族なのか、扱う言語やエスキモー民族の人口に加え、暮らし(食事・服装・家)を紹介!心筋梗塞になりづらい秘訣も!?
目次
エスキモーとはどんな民族?意味やイヌイットとの違いを紹介!
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エスキモーは北極圏のシベリア極東部・アラスカ・カナダ北部・グリーンランドに至るまでのツンドラ地帯に住む先住民族です。
元々は1つの大きな民族の総称でしたが、エスキモーという言葉が【生肉を食べる人】という意味があるとして、『野蛮』だと偏見により名乗ることを嫌がり、
- アラスカ北部以東に住むグループはイヌイット民族(またはイヌピアック)
- アラスカ中部以西のグループはユピク民族(またはユピック)
に名前を変えていきました。なおグリーンランドに住んでいるイヌイットは、現地ではカラーリット(またはカラーリ)と呼ばれています。
エスキモーの人口は?
エスキモーの人口は約9万人。西はシベリアのチュコト半島から東はグリーンランドに広く分布しています。
その内訳は、ロシア領に約1200人、アメリカ領に約3万4000人、カナダ領に約1万8000人、デンマーク領に約4万1000人が暮らしています。
エスキモーの言語は?
エスキモー語には、多くの言語が存在します。属する言語としてはグリーンランド語、イヌイット語、アラスカ・ユピック語、アルーテック語、シベリア・ユピック語、ナウカン・ユピック語、シレニキ語が少なくとも確認されています。
文字も文法もその土地によって使い方がバラバラなので、お互いのコミュニケーションが大変そうだなと思っていたのですが、最近ではイギリス、フランス、ロシア、デンマーク語などの周囲の国やテレビの浸透でエスキモーの本来の言葉を話す人が減ってきていることがわかってきています。
エスキモーの服装は?モコモコした服は何の素材?
[出典元]https://www.pintaram.com
エスキモーの住む土地は、マイナス30度~40度のかなり寒い環境です。そのため、モコモコしたとても暖かい服を着ています。
衣服の素材となるのは主に動物の毛皮です。例えばカリブーの素材でできた服を2枚重ねで着るだけで、マイナス40度の環境でも動けるんです。
こんな寒い環境下でも着てる服の重さは、約4.5キロと軽い!
そして、使用用途に応じた様々な動物の毛皮が選ばれています。
カリブーの毛は軽くて暖かいので、乳幼児の服に。重いけれど非常に暖かいシロクマの毛皮は、外で狩りをするハンターの服に。雪や氷の上を歩くためのブーツには濡れにくいアザラシ皮。
など、動物の様々な部分をほとんど捨てることなく活用しているのです。
エスキモーの食生活は?独特な食文化!
極寒の土地では野菜や果物などの作物が育たず、牛やヤギなどの動物の飼育も困難です。そのため、主にビタミンや脂肪が不足し栄養失調になりやすい環境といえます。
そこでエスキモーの人々は、トナカイ・シロイルカ・シロクマ・アザラシなどの極寒の土地で生きる動物を狩り、足りない栄養を補っているのです。
さらに!エスキモーは効率よく栄養がいつでも取れるよう、独自の発酵食品や保存食品を作りましたので、その一部をご紹介します。
伝統的な漬物の一種です。漬物といっても私たちがよく目にする野菜の物ではなく、
なんと!海の鳥なんです (゜o゜)
調理法も独特で、アザラシの中に海の鳥を詰め込み、土の中に長期間保存して作ったものなんです。
発酵した海の鳥の肉や内臓にはビタミンが豊富で、北の地域において貴重な栄養の1つでした。
誕生日、クリスマス、結婚式や成人式などのお祝いのイベントによく出てくる料理で、贅沢な食べ物だったんですね。臭いと味が気になります。
エスキモーのアイスクリームです。アイスクリームと聞くと甘くてクリーミーなイメージがわきますが、ちょっと違うんです。
トナカイとアザラシの脂肪、新しい雪、ベリー、そして刻んだ魚を混ぜて作ります。
とても高カロリーなアイスなんですね。少しの食糧でカロリーを補給するエスキモーの人々の努力が見えてくる食べ物です。
エスキモーの住む家は?あるものを活用するエスキモーオリジナルの住居!
エスキモーは狩りを本業とするため、数日ごとに移動をします。そのため、イグル―とよばれる仮設の住居をつくります。
日本のかまくらのような見た目をしていますが、作り方が違うんですよ。
木材や石などの材料が手に入らないため、主に雪を材料に作られます。
1m×0.5m、厚さ30cm。いくつか切り取った雪のブロックを、下から順にドーム状に積み重ねて半球のドーム型に家をつくっていきます。
寒い風が家の中に入らないように、出入り口をカーブ状にしたり、半球のドームの部屋をトンネル状の通路でつなげる工夫をしているんです。
さらに、壁や床に動物の毛を張り、冷気や湿気を防ぐようにしており、見た目よりも多機能な家になっています!
エスキモーの様々なお家・住居
雪以外の材料が手に入りやすい土地では、イグル―以外の住居も建物も作られます。
雪が少ない地域では、主に布でできたテントの家が多くみられますが、
- グリーンランド~アラスカの地域では、木やセイウチやアザラシの骨で柱を支えるテント
- アラスカでは、木の小枝を組み合わせ、動物の皮で覆って作る円錐型またはドームの家
- グリーンランドでは石造りの大きめの家
が建てられることが主流でした。
最近では木造の暖房設備が整った家に住む人が増えてきており、環境や時代に合わせて住む家も変わっていくことがわかります。
エスキモーは心筋梗塞になりづらい・病気が少ない民族
エスキモーの人々は世界でも珍しい心臓の病気が少ない民族です。
アザラシやクジラや魚を主食としているので、それらに含まれるEPAという血液がサラサラになる成分を多く摂っているためなのです。
心臓の血管が詰まりにくくなると、心筋梗塞などの心臓の病気になりにくくなります。つまり、エスキモーは健康的な民族なんです。
エスキモーはお酒が大好き!?
エスキモーはアルコール飲料を作る技術がほとんどなかったので、元々はお酒を嗜む習慣はありませんでした。
しかし外国からお酒と引き換えに毛皮を交換するようになってから、エスキモーは強いお酒を飲むようになりました。
飲みすぎてトラブルを起こしたりアルコール中毒になるほどです。
対策としてお酒を買うときは券売制にしています。国が配る購入券を受け取り、お酒を買いたい時はお店でお金と購入券も一緒に店に渡してお酒を買うのです。
つまり、お金があっても購入券がないとお酒が買えなくなるのです。
ちなみに、購入券はビール1缶1枚、ワイン1本5枚、ウィスキー1本10枚などアルコール度数に合わせて必要な枚数が増える仕組みになっています。
国がここまで対策するほど、エスキモーはお酒が好きだったんですね!