プラナカンとは?料理や文化・シンガポール雑貨を紹介! 観光地として人気のシンガポールですが、プラナカンという人々をご存知でしょうか? あまり聞き慣れないかもしれませんが、独自の文化を持つ人々なのです。今回はそんなプラナカンの文化や料理、すてきなシンガポール雑貨などをご紹介します!
目次
プラナカンとは? プラナカン文化を見られる場所とは?
(参考URL:https://www.visitsingapore.com/ja_jp/travel-guide-tips/about-singapore/people-of-singapore/)
プラナカンは、15世紀後半ごろからシンガポールやマレーシアといったマレー半島に渡ってきた中国の人々と、半島に住んでいたマレー系の人々との間に生まれた子孫のことです。
プラナカンの始まりは、15世紀に繁栄していたマラッカ王朝に、中国の明の皇女が嫁いできて、その従者たちもやって来たからだとされています。
プラナカンの人々は西洋との貿易などで豊かになりました。
こうしてプラナカン文化は、中国文化とマレー半島の文化が混ざり合い、イギリスやオランダといった西洋文化の影響も受けて、独自の文化に発展していったのです。
プラナカンは、シンガポールやマレー半島が昔から交通の要所だった印なんですね。
初期のプラナカンの人々の中には、商業で成功して裕福になった人がたくさんいました。
ですから今でもシンガポールやマレーシアの実業家にはプラナカン出身の人が多いのです。
彼らはプラナカンのアイデンティティに誇りを持ち、プラナカン文化を大切に受け継いでいます。
現在でもプラナカン文化は、シンガポールやマレーシアなどに残っています。
プラナカン文化発祥の地とされるのが、マレーシアのマラッカです。
クアラルンプールから車で2時間ほどの所にあります。
マラッカは港町で、昔から中継貿易で栄えていました。
プラナカンの街並みが残るのが、ペナン島のジョージタウンです。
クアラルンプールから飛行機で1時間くらいの場所にあります。
プラナカンの裕福な邸宅がたくさん残っていて、今はホテルや博物館として使われています。
シンガポールのカトン地区にもプラナカン文化が色濃く残っています。
カトン地区はシンガポールの中心部から車で20-30分くらいの所にあります。
プラナカンの伝統的な建物や伝統料理のレストラン、雑貨や陶器を売る店などが多くあります。
プラナカンの民族衣装とは?
(参考URL:https://www.visitsingapore.com/ja_jp/travel-guide-tips/about-singapore/people-of-singapore/)
マレー半島では、プラナカンの男性はババ(Baba)、女性はニョニャ(Nyonya)と呼ばれます。
ニョニャの伝統的な衣装を見てみましょう。
ニョニャの衣装は、刺繍が施されたケバヤというブラウスと、スカートのようなサロンという腰布を組み合わせたものです。
これはサロン・ケバヤと呼ばれます。
この服はウエストシェイプされていて、女性らしさが強調されています。
シンガポール航空の女性フライトアテンダントの制服をご存知ですか?
とても有名な制服ですが、この制服のスタイルがサロン・ケバヤなんです。
ケバヤの袖や襟は、刺繍が美しいことが特徴です。
透け感のある生地に、ランやバラ、蝶などの美しい刺繍が施されています。
プラナカンの女性は今でもパーティーや結婚式など正式な行事では民族衣装を着ることが多いです。
ニョニャのアクセサリーでは、ケロサンが有名です。
これはケバヤを着るときに、首元からピンで留めていくアクセサリーです。
アンティークものは高価ですが、現在でも生産されて販売されていますよ。
プラナカン料理はどんな料理?
(参考URL:https://singapore.navi.com/special/5033075)
プラナカン料理は、プラナカン女性を意味するニョニャから名前を取ってニョニャ料理と呼ばれます。
中華料理の料理法に、マレー料理のココナッツミルクやスパイスを加え、インドやタイのハーブ、西洋の調味料も融合させました。
香辛料やココナッツミルクがブレンドされた味わいです。
プラナカン料理はとても手が込んでいます。
代表的なプラナカン料理をいくつか見てみましょう。
クエ・パイティーというのはプラナカン料理の前菜の名前です。
シルクハットという意味で、帽子を逆さまにした形のタルトのようなカップに、小エビ、錦糸卵、ダイコンの煮つけなどが入っています。
見た目が可愛くて、おしゃれな料理です。
代表的なプラナカン料理が、アヤム・ブアクルアです。
鶏肉をブラック・ナッツで煮込んだものです。
辛みと酸味のバランスがとれた料理で、カレーライスのようにご飯と共に食べます。
プラナカン料理のエビチリ炒めといったものが、サンバル・ウダンです。
辛みと塩気、酸味、少しの甘味が効いたソースです。
空心菜のサンバル炒めは、シンガポールのレストランならプラナカン料理店以外でも出てくる人気料理です。
かなり刺激的な辛さが特徴です。
ラクサは日本でも聞いたことがあるかもしれませんね。
フードコートなどでも売られているラクサは庶民的な麺料理で、もともとはプラナカン料理だったのです。
スープはココナッツミルクがベースです。
トウガラシが使われているので少しスパイシーですが、ココナッツミルクでかなりマイルドになっています。
プラナカン料理を代表するデザートは、サゴ・グラメラカです。
プディングの型を使って盛りつけたタピオカに、パームシュガーでできたシロップと、ココナッツミルクがかかっています。
ソースは、みたらし団子に少し似ています。
カトン地区にはプラナカン料理のレストランがたくさんあるので、プラナカン料理を試してみたい方にはおすすめです。
プラナカンの伝統的な建築とは?
(参考URL:https://singapore.navi.com/special/5029713)
プラナカンの伝統的な建物はショップハウスと呼ばれています。
1階は事務所や店舗、2階が住居になっています。
住居だけのものはテラスハウスと呼ばれることもあります。
間口は狭く、奥行きが長いことが特徴です。
奥行きは間口の5倍以上あるともいわれます。
ショップハウスは1軒だけが建っているわけではなくて、数軒がつながって建っています。
京都にある町屋に似ていますね。
ショップハウスのもう1つの特徴が、パステルカラーの鮮やかな色使いです。
日本ではパステルカラーの家なんて、あまり見かけませんよね。
ショップハウスは建てられた時代によって、建築様式が違います。
初期のショップハウスには装飾がほとんどありません。
後期になると、ヨーロッパやマレー、中国の要素が取り入れられて、色鮮やかなタイルを使用するなど個性的な建物になりました。
ショップハウスは西洋の建築スタイルや、中国やインドのデザインが使われているものもあって、東西の文化が融合した建物なのです。
ショップハウスは現在でもシンガポールの様々な場所で見ることができますが、特にカトン地区が有名です。
カトン地区は多くのプラナカンが暮らす高級住宅地でした。
観光目的と伝統保存の観点から、美しい街並みが保存されています。
ショップハウスは今ではカフェやレストラン、雑貨などを販売するショップ、ホテル、オフィスなどとして使われています。
プラナカン独特の生活様式とは?
(参考URL:https://www.asiax.biz/kira/14847/)
プラナカンは独自の生活様式を作り出しました。
本来、マレー系と中国系の生活様式は違うのですが、プラナカンはそれぞれのスタイルを融合させたのです。
そもそも、中国人とマレー系の結婚なので、アジア人同士の結婚が珍しいの?と思うかもしれませんね。
でも、中国人とイスラム教徒との結婚ということになるので、これはとても珍しいことなのです。
プラナカンの冠婚葬祭や風水が関わる習慣、祖先への崇拝は中国式です。
衣服、食事、言葉などはマレー式です。
プラナカン文化の特徴の1つにビーズ刺繍があります。
ビーズ刺繍は花嫁修業の一環で、ニョニャは子どもの頃からビーズ刺繍を習っていました。
ニョニャには、ビーズ刺繍技術は家事や料理と同じように大事なものだったのですね。
シンガポール土産に人気のプラナカン雑貨とは?
(参考URL:https://welove.expedia.co.jp/destination/asia/singapore/14812/)
プラナカンの人たちには独特の美意識があり、その生活用品はとてもカラフルで豪華です。
最近、プラナカン雑貨はカラフルで可愛いということで、特に女性に人気となっています。
人気のプラナカン雑貨をいくつか見てみましょう。
プラナカンでは、食器もパステルカラーです。
プラナカンの陶器はニョニャ・ウェアと呼ばれます。
これらは、ピンクやクリームイエロー、ペパーミントグリーンに色付けされています。
プラナカンの器で有名なのはカムチェンという蓋のついた壺です。
サイズは直径4センチくらいから39センチくらいまで色々あります。
大きなサイズのカムチェンには水やスープ、デザートなどが入れられていました。
小さなものにはお菓子や、化粧品も入れていました。
今では、お土産物屋さんにカムチェンの小さなレプリカが売られていて、とても人気があります。
ショップハウスの外壁に使われるタイルも美しく、お土産に人気です。
小さめタイルにマグネットがついたものも売られています。
シンガポールへ行くときは、ぜひお土産に買って帰りたいですね。