ヤオ族とは?「黒髪の長さ=女の美しさ」の民族?舞曲/衣装/言語/特徴も紹介!中国には13億人という数の人達が暮らしています。その中の少数民族ヤオ族。今回はヤオ族の舞曲/衣装/言語/特徴も紹介!「黒髪の長さ=女の美しさ」って本当?
中国国内の55の少数民族のうち17の少数民族が貴州にいて、省の総面積の60%近くが少数民族自治区で、さらには人口の40%近くの少数民族が住んでいるのです。
ですので、貴洲省は各民族ごとの独自の文化が今の時代でもちゃんと残っています。今回は少数民族のヤオ族の文化をご紹介します♪
目次
ヤオ族はどこの民族?
中国南部の山地に住んでいる少数民族です。
中国の広西チワン族自治区と広東、湖南、雲南、貴州の各省に住み、さらにインドシナ半島北部にもいます。
自身のことをタイではミャンと呼び、ベトナムではマンと呼んでいます。
中国国内のヤオ族人口は約210万以上で、
広西チワン族自治区にはヤオ族全体の60%が住んでいます。
ヤオ族は、山地でおもに焼畑耕作をする部族社会であり、
少人数のグループがまとまって広い地域に住んでいるのが特徴です。
普段はライチ、トウモロコシなどの栽培をし、
女性たちは刺繍や小物をつくって販売しています。
彼らはもともと中国の長江周辺に暮らしていましたが、
独立心が強く中央政府の干渉を避けて次第に山へ移住しました。
その一部が雲南省を経てベトナム、ラオス、そしてタイの北部地方へ移り住むようになったといわれています。
ちなみにヤオ族は漢民族の言葉で野蛮人を意味するので、自らはミャンと呼んでいます。
山岳民族のなかで最も手先が器用できれい好きと言われており、
刺繍以外に銀細工も得意としています。
ヤオ族の村の名所
チワン族自治区には、チワン族が長い年月をかけて作り上げた棚田の、
龍脊棚田があります。
龍脊棚田には、他の民族の壮族とヤオ族が住み、壮族が主です。
平安と金抗と呼ばれる棚田があり山全体を棚田が覆う姿は、
日本にはない美しい景色が広がっているんです。
平安棚田
平安棚田は、2つの村を横たわり、生きている竜のように飛び越えたように、
4、5mの長さの斜面に沿って作られています。
また、九竜五虎と七星伴月という2つの独特の景色があります。
九竜とは、龍脊の主脈が9つの小さな尾根に分かれることで、
五虎とは、ややふくらんだ5つの小さな山を指します。
七星とは開拓当初に残された7つの小さな山のことで、
その山が、7つの輝いている星のように龍脊の田を守っています。
金坑棚田
金坑棚田は村の内に位置し、金を産出したことで命名されました。
金抗の地形は、1つの巨大な穴のようです。
穴の斜面は全部棚田でできています。
1000mもの高さがある斜面が階段のように繋がり、重なって空に向かって伸び、
ぐるぐる曲がりくねっている竜のように見えます。
棚田の光景は幻想のような別世界が広がっているといわれています。
実際に見てみたいですね!
ヤオ族の人達はオシャレな人が多い
引用元:http://www.chinatraveldesigner.com
ヤオ族の女性は、
赤いマフラーをまいた上着
きれいな刺繍が施されたズボン
頭には黒い布を巻いているのが特徴です。
他にも
●鶏頭の花を思わせる重厚な赤い襟巻き状の袖がついた上着
●藍染めのターバン
●100以上ものパターンがあるといわれる
細かい刺繍がちりばめられたモンペ風のズボンなどを着ています。
ヤオ族の女性の民族衣装はとてもオシャレですね!
ヤオ族の衣装には色とりどりの絹糸で刺繍がされます。
男女の上着のデザインは多彩で、花や鳥、幾何模様、人物などのモチーフがあります。
襟は、まる襟とたて襟の2種類で、
前合わせの上着にはボタンはなく、上着の上から紐を結びます。
下には、長ズボン、ショートパンツ、布スカート、刺繍の入ったスカートなどをはきます。
男性はゲートルをはきます。
ゲートルとは
歩行を楽にするため,ズボンの裾を押さえ込み,足の甲から下脚部をひと続きにおおう西洋式の脚絆(きゃはん)のこと。
引用元:株式会社平凡社世界大百科事典 第2版
髪は切らない!ヤオ族の女性の特徴
引用元:https://www.excite.co.jp/news/article/Searchina_20081204068/
ヤオ族の女性は髪を伸ばす習慣があって、その長さは腰より長く、
普段は髪を折りたたみ頭に載せ装飾された布で巻いています。
髪を美しく伸ばすことは長寿と豊穣の願いを込めた意味があるんです。
美しい髪を保つ秘訣は、なんと!
お米のとぎ汁で洗うこと!
シャンプーやコンディショナーの効果があり、
川の水できれいに洗って風で乾かすのがポイントです。
日本でも実践できそうですね!
ヤオ族の女性は、一生に一度、成人となる18歳のときにしか髪を切らず、
そのときに切った髪を束ねて地毛とともに結い上げる習慣があるといわれています。
つまり、頭の上には一生分の髪の毛が乗っかっているんですが、重たくないんでしょうか?
普段は髪を刺繍が入ったお洒落な黒い布で覆っています。
女性の頭の刺繍は1番オシャレに気を使っているところで、
中には刺繍された10数mの長い布を頭の上でぐるぐる巻く場合もあります。
釘を使わない!?ヤオ族の大きな家
引用元:http://www.chinatrip.jp
ヤオ族の家屋建築のスタイルはたくさんありますが、その中でも特徴的なのが木楼です。
木楼は山や川に近いところに建てられ、前は低く後ろは高くなっています。
木楼は普通は3階建てで、
1階で家畜を飼い
2階はリビングルームや客室(または寝室)
3階は寝室になっており人が居住します。
(または貯蔵室にして食糧などを置く家庭もあります)
木楼には釘は使われていません。
板張りの木材は地元の杉の木で建てていて、
釘を一本も使わない丈夫な建築様式で、全て高床式で仕上げられています。
室内は日の光が入り、風通しもよく非常に心地いい環境です。
経典が漢字のヤオ族の宗教
ヤオ族はほとんどが山に住む民族であり、
長くヤオ族の間に伝えられてきた漢字体の文書類をもって
山を渡り歩いて独自の文化を保ってきました。
この文書は、祖先のお祭り、成人式、招魂、病気の治癒その他の冠婚葬祭など、
彼らの日常生活を律する重要なイベントや、
年中行事を行うシャーマンが使うお祈りの呪文の経典などがあります。
この中には星占いと関係のある天文暦、風水や農業のテキストなども含まれます。
ヤオ族は漢族文化、特に道教の影響を強く受けていて、
葬式や結婚式など行事の際には、漢字で書かれた文書を使用します。
道教の神である盤古を信仰し、宗教の指導者は漢字を用います。
タイのヤオ族も、年長の男性の中には漢字の読み書きができる人が多いんですよ。
また、かつて中国の皇帝から与えられた耕作と狩猟の許可証である評皇券牒という文書を大切に保管しており、
これにはヤオ族の始祖にまつわる神話も書かれているといわれています。
ヤオ族の宗教信仰は地方により異なります。
シャーマンと道教を信奉する一方で
自然崇拝、祖先崇拝、トーテム崇拝などを行っている地方もあります。
ヤオ族の名物料理
引用元:http://yunhai.sakura.ne.jp
ヤオ族の名物料理をご紹介します。
竹筒鶏
地鶏を丸ごと一匹をぶつ切りにして調味料と一緒に竹筒に放り込み、
火で炙って蒸し上げます。
蓋代わりの竹の節をナタでこじ開け、巨大な竹筒を割って竹をお皿にするか、
傾けて中身をお皿に盛り付けます。
ヤオ族の主食は米、サツマイモ、サトイモです。
また、鳥の代わりにご飯を蒸し上げる竹筒飯というものもあり、
シンプルな調理法ですがとてもおいしいといわれています。
というか、絶対おいしいですよね!
ヤオ族の楽しいお祭り
ヤオ族の民族の祝日は比較的多いです。その中でも有名なのは、盤王節です。
ヤオ族の祭りには、春節をはじめとして、
社主節、清明節、達努節の他、若い男女が対歌を歌う要望節などがあります。
例えば、達努節は世界を創造した女神:洛河陀を記念して作られた祝日で、
旧暦の5月29日には、ブタや羊を料理し、歌や踊りを楽しみます。
ヤオ族の祖先は、紀元前後にかつて中国の中部地区に住んでいましたが、徐々に南に移動し、
現在の中国の南とベトナム、ラオス、タイなどの国家にヤオ族が住んでいます。
ヤオ族の神話によると、彼らの始祖は盤古という神様で、
盤王節とは、人々が始祖を祀り、五穀豊穣を祝う行事です。
ヤオ族は少数グループで集まって生活していますが、すべて盤王を始祖としていて、
毎年旧暦10月16日の盤王の誕生日を1年中で1番重要な祭りとしています。
盤王節の時期がやってくると、豚や牛を供えものとし、
香り高い米酒を醸造し、豊かな宴会とともに祝います。
盤王節の最大のイベントは、歌堂です。
青年男女が集まって対歌という1問1答形式で歌う歌を歌うんです。
歌堂は大歌堂と小歌堂に分けられていて、
大歌堂は10年ごとに3~9日間行われ、
小歌堂は3~5年ごとに1日行われます。
祭りの期間中は、銅鑼などを楽器にして、ヤオ族のお経を唱え、
盤王の賛美歌を歌って祖先にお祈りをします。
そして、民族の歴史の振り返り、盛大な宗教的な行事と祝賀イベントが行われます。
ヤオ族の人々が豊作を祝う祭りでは、
さらに若者が恋をしたり、人々が親友を訪問したり楽しいお祭りとなっています。
ヤオ族の盛大な結婚式
ヤオ族の結婚式は華やかな花嫁行列で始まります。
早朝に、新婦は舟のかぶりものに赤い房をたらした巨大な角隠しをかぶり、
ラッパやシンバル、太鼓の合奏団に先導されながら新郎の家までパレードをします。
新郎の家に入って先祖を祭った祭壇の前でシャーマンがお祈りをした後、
夕方からは祭壇を背にして腰掛けたお客に向かって、
新郎と新婦が、膝まづいたり立ち上がったりしてお辞儀をする仕草を繰り返す儀礼を、
お客が途切れるまで、ずっと続けます。
お客が多いと、この儀礼は深夜もしくは明け方にまで続きます。
聞いてるだけで足が棒になりそうな結婚式ですね・・・。
ヤオ族にはある結婚にまつわる神話が残されています。
かつて、中国のある皇帝が犬を飼っていました。
他国と戦争が起こったとき、この皇帝は、
敵の将軍を倒したものに自分の娘を嫁がせると約束しました。
ところが、敵の将軍を倒したのは皇帝が飼っていた犬でした。
犬は約束どおり皇帝の娘と結婚し、6男6女をもうけたというお話です。
これがヤオ族の子孫で、
ヤオ族に12の姓があるのも、このためだといわれています。
また、結婚式のときに
花嫁が完全に顔が隠れるほどの巨大な角隠しをかぶるのは、
犬のもとに嫁がねばならなくなった皇帝の娘が、
恥ずかしさから顔を隠したのが由来といわれています。