アラブ人の服装や顔の特徴は?性格やユダヤ人を嫌う理由は?名前(苗字)の人気も! アラブ人について様々なニュースで見たり聞いたりすることは多いと思います。今回は、知られていないことも多いアラブ人について、服装や顔の特徴、性格、名前、ユダヤ人を嫌う理由などをご紹介します!
目次
アラブ人とは? どんな言葉を話して、どこで暮らしているの?
アラブ人とは、アラビア語を母国語とする人々のことです。
アラビア半島、アルジェリア、イラク、エジプト、モロッコ、レバノンなどの国々ではアラビア語が話されているので、そこに住む人々がアラブ人です。
一方で、トルコではトルコ語、イランではペルシャ語、イスラエルではヘブライ語、アフガニスタンではパシュトー語が話されています。
ですから、そこに住む人々はトルコ人、イラン人、イスラエル人、アフガニスタン人です。
よく、『中東』という言葉を聞きますよね。
中東とは、アフガニスタンやイラク、アラビア半島、東北アフリカ辺りの地域のことです。
『中東』と『アラブ』は同じ意味ではないのです。
このように、アラブ人は多くの国々に暮らしているため、みんなが同じ生活をしているわけではありません。
アラブ人が全員イスラム教徒、というわけでもないのです。
アラブ人にはキリスト教徒のほか、わずかですがユダヤ教徒やゾロアスター教徒の人々もいます。
アラブ人の人口はどのくらい?
アラビア語を話す人は3億8000万人以上います。
とてもたくさんいますね!
アラビア語を話す人々は、以下の国々に多く暮らしています。
エジプト 8642万人
スーダン 4393万人
アルジェリア 3699万人
モロッコ 3220万人
イラク 3123万人
アラブ人の顔や外見の特徴は?
これまで見てきたように、アラブ人は広い地域に暮らしています。
ですので、アラブ人は黄色人種だけとは限りません。
髪の毛が金髪や黒髪の人、白い肌の人や褐色の肌の人、青い目をした人もいます。
例として、エジプトに暮らすアラブ人を見てみましょう。
エジプトにはヨーロッパにいるような金髪で色白の人や、褐色の肌の人、アフリカにいるような漆黒の肌をしたアラブ人がいます。
このようにアラブ人には様々な外見の人がいます。
アラブ人の性格は?
外見と同じように、アラブ人の性格も住む場所によって様々です。
例えば、エジプトの人々は、アラブ人の中でも人懐っこい性格をしています。
イエメンの人々は恥ずかしがり屋で、人見知りする人が多いことが特徴です。
オマーンの人々の性格は、アラブ人の中でもゆったりとしていて、穏健、積極的に新しい物事を取り入れ、異文化にも寛容です。
その一方でプライドも高いという面もあります。
また、一般的にアラブ人は会話をするときに、欧米人よりも相手の人に近づく癖があります。
アラブ人と会話をするときは、このことを気に留めておいた方がいいでしょう。
アラブ人の服装は?
アラブ人の服装も、住んでいる場所によって様々です。
アラビア半島にいるアラブ人男性はソウブという白い服を着ています。
頭にはクーフィーヤという布を被っていて、イカールという黒い輪でとめています。
この服装は北アフリカではあまり見られないものです。
サウジアラビアの女性は、男性がいる場所では服の上にアバヤという黒いマントのようなものを着ます。
これは、サウジアラビアにいる外国人女性も同じようにする必要があります。
アバヤには、刺繍やレースなどの装飾がつけられたものもあります。
サウジアラビアのイスラム教徒の女性は、ヒジャーブというスカーフで頭を覆っています。
イスラム教徒でない外国人の女性では、髪を出している人もいます。
また、UAEの女性は黒のアバヤを着て、シェーラという黒いスカーフを頭に巻いています。
最近では黒以外のアバヤも増えてきました。
おしゃれを楽しむ女性が増えてきているんですね。
UAEの男性は、首からターブッシュというネクタイのような細い紐を下げていることが特徴です。
アラブ人の食事・食生活は?
アラブ人が多く暮らすエジプトとサウジアラビアの食事はどのようなものなのでしょうか?
エジプトでは、肉料理がメインになることが多いです。
そこにサフランで色付けした米やパンがそえられます。
野菜料理が多いことも特徴です。
その他に、ナイル川で獲れた魚や果物、乳製品を食べます。
サウジアラビアでは国民のほとんどがイスラム教徒のため、食事は聖典であるコーランの教えに従います。
お酒も飲みません。
もともと遊牧民が多いため、羊の肉を使った料理が豊富なことが特徴です。
主食はホブスという薄いパンで、サラダを包んだり、豆の煮込みやシチューとつけたりして食べます。
食前にアラビアンコーヒーを飲む習慣もあります。
ちょっと意外な感じもしますが、コーヒー店はサウジアラビア発祥とされています。
イスラム教の聖地を巡礼する人をもてなすためにコーヒーをふるまったことから、約500年前にコーヒー店が始まったのです。
アラブ人はどうしてユダヤ人を嫌うの?
アラブ人とユダヤ人の対立であるパレスチナ問題は、アラブ人が住むパレスチナにユダヤ人の国であるイスラエルが建国されたことが原因です。
この対立を理解するために、この2つの民族の歴史を見ていきましょう。
紀元前1000年ごろ、イスラエル地域にはイスラエル王国があり、ユダヤ人が暮らしていました。
その後、この地域はローマ帝国によって征服されたので、ユダヤ人たちはそこに住み続けられなくなりました。
こうして、ユダヤ人は世界中に散らばっていきます。
636年にはイスラム帝国がイスラエル地域を占拠し、7世紀ごろからはアラブ人がこの地域に入ってきました。
そして16世紀、イスラム教のオスマン帝国やってきて、その後400年ほどこの地域を支配しました。
オスマン帝国はこの地域をパレスチナと呼ぶようになります。
このパレスチナにはイスラム教やキリスト教、ユダヤ教の聖地のエルサレムがあります。
19世紀になるとユダヤ人たちの中で、パレスチナにユダヤ人の国家を建国しようという運動が起こりました。
でも、パレスチナには1000年以上もアラブ人が住んでいたのです。
さらに、第1次世界大戦中にイギリスがユダヤ人にパレスチナでの国家建設を認めた一方で、アラブ人にもパレスチナでの独立を約束したので、問題は複雑になってしまいました。
この後、ユダヤ人はパレスチナに入植し、アラブ人との対立が激化します。
第2次世界大戦中に迫害を受けたユダヤ人に対して、国際世論が同情します。
そして1947年に国連総会でパレスチナの分割案が示され、ユダヤ人は1948年にイスラエルを建国しました。
しかしアラブ人はこれに反発したため第1次中東戦争が起こり、パレスチナで暮らしていた多くのアラブ人が難民となりました。
アラブ人がユダヤ人を嫌う背景には、こんなにも長い歴史問題があるのです。
残念なことに現在でも、アラブ人とユダヤ人の緊張関係は続いています。
アラブ人の名前の特徴や人気の名前は?
通常、アラブ人の男性の名前は1つの語からできています(例、ムハンマド)。
その他に、2つか3つの語が繋がってできた名前(例、アラジン=3語)もあります。
女性の名前は1語のものがほとんどです。
アラブ人の名前の特徴として、アラブ人の名前にはもともと姓がない、ということがあります。
男女とも、本人の名前、父の名前、祖父の名前を並べるのが基本です。
ですので、女性は結婚しても名前が変わることはないのです。
男性の名前には、イスラム教の預言者ムハンマドもしくはアフマドという名前や、宗教に関する名前を付けることがとても多いです。
女性の場合はムハンマドの娘のファティマなどの例外を除いて、宗教に関する名前はほとんどありません。
アラブ人がお互いの名前を呼ぶときは、ファーストネーム(本人の名前)だけを呼ぶか、本人の名前に敬称をつけて呼びます。
これは男女ともに同じです。
西洋のように、姓に敬称を付けて呼ぶことはありません。
非アラブ人が間違えてしまった例として、イラクのフセイン元大統領の名前があります。
イラクのフセイン元大統領の場合、フセインは父の名前なので、本当はサッダーム大統領と呼ぶのが正しかったのです
また、非アラブ人がアラブ人の名前を呼ぶときに、発音が間違っていることも多くあります。
アラブ人は自分たちの名前やアラビア語にとても誇りを持っているので、名前の発音が間違っていると非常に気にします。
名前は誰にとっても大切なものですが、アラブ人の名前を呼ぶ時には特に気をつけたいものですね。