ロマ人とは?ジプシーとの違いは何?差別や音楽/生活/特徴も徹底解説!ロマという民族について聞いたことがあるでしょうか?今回はロマ人の生活や特徴に加えて、差別の歴史や影響を与えた音楽なども徹底解説!ロマ人と「ジプシー」という言葉との違いなども紹介します!
ロマ人とは?ジプシーとの違いは何?
[引用元]https://uranaru.jp/topic/1022972
ロマ人は北インド発祥の民族で、6-7世紀に民族移動を開始すると、国籍を持たない移動型の生活を送ってきました。
現在では移動型の生活ではなく、定住する人々が増えています。
ロマ人はヨーロッパを中心に世界各国で暮らしており、分布としては多くのロマ人が東ヨーロッパ、南ヨーロッパ、バルカン半島、フランス、スペインなどで暮らしていて、とくにルーマニアには多くのロマ人の人々がいます。
ヨーロッパ以外としては、エジプト、イラン、トルコ、ブラジル、アメリカが挙げられます。
『ジプシー』と呼ばれることが多いロマ人ですが、ジプシーという言葉の中にはロマ人以外の人々も含まれます。
ですが、ロマ人はジプシーという呼び方を差別用語ととらえているので、彼らは自分たちのことを『ロマ』とか『ロマニ』と呼ぶのです。
ロマ人の人口は?
ロマ人は、移動型の生活を送っていたうえに、現在は世界中で暮らしているために、ロマ人の人口をはっきりと特定するのは難しいといわれています。
おおよその目安としては、全人口はだいたい800万人から1200万人くらいといわれています。
ロマ人の言語は?
ロマ人の言語として挙げられるのはロマ語です。
また、歴史的に文字は使ってきませんでした。
1つの民族は1つの言語を話している、と想像するかもしれませんが、ロマ人はそれぞれが暮らす土地の文化を取り入れて生きてきました。
ですので、同じロマ語であっても住んでいる地域によって単語や表現が違い、意思疎通が難しい場合が多くあるのです。
ロマ人の外見的な特徴は?
ロマ人の人々の肌の色は褐色や浅黒い色が多いですが、中には肌の白い人もいます。
髪の毛、眉毛、瞳は、「黒」か「こげ茶色」が多いです。
顔立ちは彫が深く、目はアーモンド形ではっきりした二重、まつ毛が長いのも特徴です。
また、ロマ人の女性は髪の長い人が多いです。
ロマ人は『インド人の外見を薄くしたようなかんじ』と表現されることもあります。
そういうふうにイメージしたら想像しやすいかもしれませんね。
ロマ人の衣装は多種多様
[引用元]https://matome.naver.jp
伝統的なロマ人の衣服は、彼らの外見的な魅力をさらに魅力的に見せてくれます。
たとえば、女性のメリハリのある体型や、男性の長い脚などです。
男性の服装としてまず挙げられるのは、白いシャツ、黒いパンツと帽子に靴という格好です。
女性の場合はカラフルなロングスカート、頭に巻くスカーフ、胸元が深く空いて身体にフィットしたトップス、レースや刺繍が施された腰飾りなどが特徴です。
でも、ロマ人は様々な場所で暮らしているので、服装もその土地によって少しずつ異なります。
現在、都市部で暮らしているロマ人には、Tシャツやパンツスタイルなど、カジュアルな服装の人が増えました。
しかし田舎では、まだ伝統的な服装をしているロマ人も多いです。
こうした民族の伝統もぜひ保ってもらいたいものですね。
ロマ人の食事は?
ロマ人は移動型の生活をしていたので、農業はしていませんでした。
ですから食事は基本的にその土地で捕まえたり、採れたりするものを食べる狩猟採集が中心ました。
また、ロマ人は仲間以外の人が調理した物を食べることを嫌がる傾向があります。
これも、自分たちで捕まえたものを食べるという習慣があった理由です。
でもこれは伝統的なロマ人の食習慣であり、現在はその土地の一般的な人々と同じような食事を摂っています。
ロマ人の仕事は?
ロマ人の伝統的な職業には、鍛冶、かごの製造や金物細工、レンガ職人、羊や馬の放牧、楽器の製造などがあります。
音楽を演奏したり、踊りを披露したりしてお金を稼ぐ旅芸人もいました。
各地のお祭りなどに参加したほか、昔はその土地の統治者が、気に入ったロマの人々を余興のために招待して、しばらく滞在させることもありました。
また、占いを仕事としていたロマ人もいました。
タロットカードをご存知ですか?
占いの道具として有名なタロットカードはロマ人が発祥という説もあります。
ロマ人は宗教もその土地に順応
ロマ人はかつて北インドから移動してきたとされているので、昔はヒンドゥー教徒であった可能性が高いです。
しかし、現在では暮らしている土地で主に信仰されている宗教を信じている場合がほとんどです。
たとえば、カトリック教徒、プロテスタント、イスラム教徒のロマ人などがそれにあたります。
ロマ人だからこの宗教を信じている、と特定することはできないのです。
ロマ人への差別と音楽
移動型の生活や、ヨーロッパの人々とは違う言葉や文化のせいで、ロマ人は古くから部外者として扱われ、差別されてきました。
『貧困をもたらす』とか『犯罪が増える』といった偏見の目で見られることも多いです。
こうした差別は現在でも続いているのです。
こうした長年にわたる差別や迫害にも関わらず、ロマ人はヨーロッパの文化に大きな影響を与えてきました。
影響を与えてきたものの中に音楽があります。
ロマ人の文化から影響を受けたとされる例として、スペインのフラメンコや、イタリアやフランスで見られるストリートパフォーマンスがあります。
ロマ人の音楽と地元の音楽が互いに影響を与え合って、発展してきたのです。
ロマ人の音楽には、強弱やテンポの変化が激しいこと、ヴォーカルが情熱的であることなどが特徴として挙げられます。
『ハンガリー音階』として知られる独自の音階もあります。