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アイヌ民族とは?特徴や人口・言語は?衣装や踊り・食事など文化を徹底調査!

アイヌ民族とは?特徴や人口・言語は?衣装や踊り・食事など文化を徹底調査!

アイヌ民族とは?特徴や人口・言語は?衣装や踊り・食事など文化を徹底調査!みなさんもきっと一度は聞いたことのあるアイヌ民族ですが、アイヌ民族について詳しく知っている方は意外と少ないのではないでしょうか?今回はそんなアイヌ民族の特徴や言語・人口・衣装・踊り・食事など知られざる文化について詳しくお伝えします!

ぬまくん
ぬまくん
今度、北海道に遊びに行くんだけど、北海道には昔からアイヌ民族が暮らしていたって聞いたんだわん! ねえ、くろちゃん、アイヌ民族ってどんな生活をしてたんだわん?
くろちゃん
くろちゃん
そうね、アイヌ民族って名前はよく聞くけど、ちゃんと知らない人が多いと思うにゃん! ぬまくんが北海道へ行く前に、アイヌ民族について教えてあげるにゃん!

アイヌ民族とは?居住地や人口は?

アイヌ民族とは? 特徴や人口・言語は? 衣装や踊り、食事など文化を徹底調査!(参考URL:http://hokkaido-syuryo.com/content/feature/ainu.html)

アイヌ民族は、17世紀から19世紀ごろ、東北地方の北部、北海道、千島列島、サハリンで生活していました。

アイヌ民族はこのあたりのことを『アイヌモシリ(人間の住む大地)』と呼びました。

 

北海道へ行くと本州では馴染みのない地名を多く見かけます。

それは、この辺りには今でもアイヌ語がもとになった地名がたくさんあるからなのです。

 

2013年に北海道は『アイヌ生活実態調査』を行いました。

この調査によると、66市町村に16786人のアイヌ民族の人々がいました。

これは調査対象となる人々だけなので、実際にはもっとたくさんのアイヌ民族が暮らしています。

アイヌ民族の言葉の特徴は?

アイヌ民族とは? 特徴や人口・言語は? 衣装や踊り、食事など文化を徹底調査!(参考URL:http://hokkaido-syuryo.com/content/feature/ainu.html)

アイヌの人々は、もともとは文字を必要としませんでした。

そこで発達したのが口承文学です。

考え方、伝統、文化は、口伝えで次の世代へ引き継いでいきました。

 

現在アイヌ語は、ローマ字かカタカナで表記されます。

でも、アイヌ語には子音で終わる音が多く、カタカナではきちんと書き表せないことが多いです。

 

ちなみに『アイヌ』とは『人間』という意味です。

 

そんなアイヌ語ですが、明治以降、アイヌ民族の同化政策が行われて日本語教育が行われたので、アイヌ語を話す人は急速に少なくなってしまいました。

伝統的な言語がなくなってしまうのは、残念なことですね。

アイヌ民族の衣装は?

アイヌ民族とは? 特徴や人口・言語は? 衣装や踊り、食事など文化を徹底調査!(参考URL:https://intojapanwaraku.com/culture/2277/)

アイヌ民族の衣装には、民族の外から入ってきたものと、自分たちで作った衣服がありました。

自分たちで作る場合は、クマやアザラシなどの皮、サケのなめし皮、植物の内皮などを使いました。

 

植物を使った衣服は日常着としてはもちろんのこと、綺麗な刺繍などをして晴着としても使いました。

これらの衣服は現在でも儀式の時に使われています。

 

衣服に施した刺繍の模様は地域によって異なり、母から娘へと受け継がれていきました。

こうした模様には魔除けの力があるとされたのです。

 

男性の装身具

儀式の時、男性はサバウンベという冠をかぶりました。

ブドウヅルなどを編んで作ったもので、鳥の頭蓋骨やクマの彫刻で飾られていました。

 

もう1つ身につけていたのが、儀式用の刀のエムシです。

鞘の部分は、たくさんの彫刻で装飾されていました。

 

女性用の装身具

儀式の時は正装として、はちまき、首飾り、耳飾りをしました。

 

首飾りはタマサイと呼ばれていました。

中国大陸などからやってきたガラス玉で作られていて、よく好まれて使われていたのは青と黒の玉です。

中には金属の飾りをつけたものもありました。

 

ほかにも、レクトゥンベというチョーカーのような首飾り、テクンカニという金属の腕輪もありました。

アイヌ民族が身だしなみに気を配っていたことが感じられると思います。

アイヌ民族の食生活は?どうやって食料を確保していたの?

アイヌ民族とは? 特徴や人口・言語は? 衣装や踊り、食事など文化を徹底調査!(参考URL:http://hokkaido-syuryo.com/study_item/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%8C%E6%B0%91%E6%97%8F%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%84%B6%E8%A6%B3/)

アイヌ民族は猟、漁業、植物の採種、農業といった様々な方法で食料を確保していました。

 

猟の主な獲物は、ウサギ、エゾシカ、キツネ、タヌキ、テン、ヒグマなどでした。

エゾシカは食料としてはもちろん、毛皮も衣服や商品としてとても大切でした。

オオワシ、オジロワシ、ワタリガラスなどの鳥も獲っていました。

 

特徴的な猟の方法は穴熊猟です。

これは、雪解け前、犬を連れて数名で山へ入って、冬眠中のクマを獲る猟です。

 

他にも弓矢、罠、仕掛け弓を使ってシカ猟も行いました。

仕掛け弓の矢の先にはトリカブトの毒を塗っていて、この毒の作り方は家ごとの秘伝とされていました。

 

アイヌ集落の多くは川や海のそばにあったので、漁業もとても重要でした。

川での漁では、夏はマス、秋はサケを主に獲っていました。

海では、4メートルくらいの船で漁に出て、アザラシ、イルカ、オットセイ、クジラ、マンボウ、メカジキなどを獲りました。

 

女性は主に野山で植物を採集していました。

様々な薬草も採集していて、例えばキハダは化膿止めや喘息、キンミズヒキは腹痛、チョウセンゴミシは咳止めとして使われていました。

 

また、農耕も行っていて、アワ、キビ、ヒエ、ソバなどを栽培しました。

こうした穀物を使って、儀式の時に使う酒も作っていたのです。

江戸時代以降になると、キュウリ、ジャガイモ、ダイコン、ネギなども育てました。

 

アイヌ民族の人々は、こうして手に入れた食料を高床式の倉に貯蔵していました。

獣の肉や魚は鍋で茹でてから天日乾燥させて、屋内で煙にあてて燻製にしました。

食料を長持ちさせる、とても賢い知恵だと思いませんか?

 

主食は具がたくさん入った汁ものでした。

肉を煮たり焼いたり、魚を串に刺して焼いたり、乾燥させて汁ものの中に入れたりもしました。

ハスカップやヤマブドウなどの果物は生で食べられますし、山菜は汁ものにいれたりご飯と一緒に炊いたりもしました。

 

他にもアワやヒエの粥、野菜や山菜の煮物、穀物の団子など色々な料理がありました。

バラエティー豊かな食生活だったことがうかがわれますね。

アイヌ民族はどんな家で暮らしていたの?

アイヌ民族とは? 特徴や人口・言語は? 衣装や踊り、食事など文化を徹底調査!(参考URL:http://www.chinetsu.jp/cise01.php)

アイヌ語で家のことをチセと呼びます。

チセは時代や地域によって様々です。

 

家の壁や屋根はササや樹皮などで作り、地面に穴を掘って柱を建てました。

 

家は長方形のワンルームになっていて、中央に炉がありました。

その炉の上に火棚があって、先ほど紹介したように、ここで食物を乾燥させたのです。

 

東と川上は神聖な方角だと考えられていたので、そちらに『神窓』がありました。

この神窓は神々が出入りするための窓で、儀式の道具はここから出し入れしました。

 

たいていの場合、神窓の反対側が人間の入口です。

神窓と炉の間が上座、上座から入口に向かって右手に主人夫婦、左手に子供や客人が座りました。

アイヌ民族の信仰とは?

アイヌ民族とは? 特徴や人口・言語は? 衣装や踊り、食事など文化を徹底調査!(参考URL:http://hokkaido-syuryo.com/study_item/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%8C%E6%B0%91%E6%97%8F%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%84%B6%E8%A6%B3/)

アイヌ民族の人々は、動物、植物、自然、道具などすべてのものに魂が宿っていると考えていました。

特に、人間にたくさんの恵みをもたらしてくれるもの、もしくは人間よりも強力な力を持つものは、神(カムイ)として敬いました。

 

最も重要な神は火の神で、毎日祈りを捧げていました。

動物の中では、オオカミ、クマ、シャチなどが位の高い神でした。

この世界には他にも、水の神、月の神、太陽の神、物神などたくさんの神々がいると考えられていたのです。

 

神々は人間を見守り、食料をもたらしてくれる存在でしたが、中には悪い神もいました。

ですから、そうした悪い神に対する儀式もありました。

 

他にも、家を建てるとき、初漁に出るときなどには儀式を行いました。

日用品や儀式の道具が壊れたときは、捨てる前に魂を神の国に返すための儀式をしました。

動物を獲ったときも、同じような儀式を行いました。

アイヌ民族の名前に関する習慣とは?

アイヌ民族とは? 特徴や人口・言語は? 衣装や踊り、食事など文化を徹底調査!(参考URL:https://www.visit-hokkaido.jp/info/detail/170)

アイヌ語で赤ちゃんのことは『ソン(糞)』『テイネシ(ぬれた糞)』と言います。

どうして、このような呼び方をしたのでしょうか?

 

じつは汚い言葉で呼ぶことで、魔が赤ちゃんに近づかないようにしたのです。

赤ちゃんを守るためだったのですね。

 

名前は生後すぐにはつけず、数年経ってから子どもの個性に合わせた名前をつけました。

姉や兄が亡くなってしまった場合には、魔除けとして、わざと汚い名前をつけました。

 

もう1つ、みだりに人を名前で呼ぶのはよくないとされていて、特に妻が夫の名前を呼ぶのは良くないことでした。

アイヌ民族の女性の身だしなみ

アイヌ民族とは? 特徴や人口・言語は? 衣装や踊り、食事など文化を徹底調査!(参考URL:https://www.visit-hokkaido.jp/info/detail/170)

アイヌ民族の女性は、顔(特に唇)と手から腕にかけて刺青を入れました。

刺青を入れていたのは女性だけです。

 

刺青のパターンを見れば、その女性が既婚者かどうか、子どもを何人産んだのかが分かりました。

伝統的なアイヌ民族の刺青を入れた女性は1998年に亡くなってしまいましたが、現在でも儀式の際に、一時的な刺青をするアイヌ民族の女性もいます。

アイヌ民族の歌や踊りってどんなもの?

アイヌ民族とは? 特徴や人口・言語は? 衣装や踊り、食事など文化を徹底調査!(参考URL:http://hokkaido-syuryo.com/content/feature/ainu.html)

アイヌ民族の生活にとって、悲しみや喜びを表現する歌や踊りは欠かせないものでした。

儀式、人が集まる時、仕事中など、様々な時に歌って踊りました。

踊りには、神や祖先に敬意を表す目的もあったのです。

 

代表的な楽器に、ムックリというものがあります。

薄い板の中央に弁があって、唇を当てて息を吸ったり吐いたりして振動させて音を出します。

5本の弦が張られたトンコリ(もしくは五弦琴)という楽器もあります。

 

白老地方に伝わる歌には『座り歌』と『踊り歌』がありました。

 

座り歌は、女性が円になって座って、漆塗りの器の蓋を叩きながら歌うものです。

踊りが始まる前の導入として歌われて、その場の雰囲気を盛り上げました。

 

踊り歌は、踊りのために歌う歌と踊りのことです。

踊りは多くの場合、集団で踊られました。

悪魔祓いの行進が踊りの原形と考えられています。

 

男性が力強く刀を振りかざし、掛け声とともに刀をぶつけ合う勇ましい刀の踊りや、鳥やウサギなどをモチーフにしたものなど、様々な踊りがあります。

 

こうした踊りは現在でも北海道各地に伝わっていて、地方ごとに特色があります。

これからも、こうした貴重な文化を受け継いでいってほしいものですね。

ぬまくん
ぬまくん
アイヌ民族って、とっても興味深い人たちだわん! 北海道に行く前に知れてよかったわん! くろちゃん、ありがとう!
くろちゃん
くろちゃん
アイヌ民族のこと、知ってもらえて嬉しいにゃん! これからも、いろんな民族に興味を持ってもらいたいにゃん!